【2021年版】ステンレス鋼管5選 / メーカー19社一覧

ステンレス鋼管のメーカー19社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。


目次


ステンレス鋼管とは

ステンレス鋼管は主に工場やプラントで使用される配管の一種で、その名の通りステンレス鋼からできています。

ステンレス鋼の中でもSUS304のようなオーステナイト系のステンレスは、含有されるクロムにより表面が不導体膜で保護されているので錆が発生しません。その為、錆が問題になるような配管などに使用されます。

その他にも、高温にも低温にも耐えられる特性を生かして、化学プラントの高温配管や産業ガスの低温分離装置での配管にも使用されます。

また、内面を光輝焼鈍(無酸化焼鈍)や電解研磨により仕上げた物は、その表面に異物などが残存しないので、高純度な製品が必要な半導体工場や、食品工場でも使われます。

ステンレス鋼管の使用用途

ステンレス鋼管は一般的な工場から高温の反応を有する化学プラント、超低温の液体を搬送する産業ガスプラント、異物やバクテリアの発生が厳禁な食品、医薬品、化粧品、高純度な製品が必要とされコンタミが大きな問題となる半導体工場などに幅広く使用されています。

一般的な化学工場ではオーバースペックとなる場合もありますが、錆が発生すると困る配管には幅広く使われており例えば水や蒸気配管に使用されることもあります。

内部を鏡面に仕上げた配管はコンタミや異物の残存がない為、食品工場、医薬品、化粧品及び半導体工場などの分野で使用されます。

ステンレス鋼管の原理

ステンレス鋼管でもオーステナイト系ステンレスで作成された配管は、クロムによる不導体被膜がその表面を強固に保護するので錆が発生しません。しかし、この現象は溶接時の熱による鋭敏化という現象により耐食性が低下する事があります。

特に溶接部近辺ではクロムが炭化クロムとなり、不導体被膜を形成するのに十分なクロムが無くなることがあります。このような現象を避けるためにも溶接時の適切な入熱の管理が必要になります。

また、内部を光輝焼鈍(無酸化焼鈍)や電解研磨に仕上げたステンレス鋼管は、見た目も非常にきれいでコンタミの原因となる残存部が無いので食品業界や半導体工場などで多く使用される配管となります。

しかしこのような配管も溶接方法を誤ると配管同士が正常に接合されずに、液だまりの発生や溶接部の凸凹などが発生するので、ステンレス鋼管の能力を完全に発揮するには工事の際の正確な施工が必要となります。

特に溶接時にはバックシールドと呼ばれる方法で溶接しないと、配管内面が凸凹になるので注意が必要です。

配管用ステンレス鋼鋼管と一般配管用ステンレス鋼鋼管の違い

配管用ステンレス鋼鋼管(JIS G 3459:2016)は、耐食用,低温用,高温用,消火用などの配管に用いるステンレス鋼鋼管です。外径の範囲は主として 10.5 mm(呼び径 6A 又は 1/8B)〜660.4 mm(呼び径 650A 又は 26B)があります。

一般配管用ステンレス鋼鋼管(JIS G 3448:2016)は、給水、給湯、排水、冷温水、消火用水及びその他の配管に用いるステンレス鋼鋼管です。
従来のステンレス鋼鋼管に比べて薄肉であり、SUS304、SUS315J1、SUS315J2、SUS316の4種類で規定しているのが特徴です。外径は9.52 mm(呼び方8Su)〜318.5 mm(呼び方300Su)の管があります。

水道とステンレス鋼管

一般配管用ステンレス鋼鋼管(JIS G 3448:2016)に類似した規格で、水道用ステンレス鋼鋼管(JWWA G 115:2012)があります。

水道用ステンレス鋼鋼管(JWWA G 115:2012)は、日本水道協会規格の定めた規格で、最高使用圧力1.0MPa以下の水道に使用します。肉厚は一般配管用ステンレス鋼鋼管(JIS G 3448:2016)と同じであり、SUS304、SUS316の2種類で規定しているのが特徴です。外径は15.88 mm(呼び方13Su)〜48.60 mm(呼び方50Su)の管があります。

ステンレス鋼管の継手

ステンレス鋼管の継手とは、ステンレス鋼管とステンレス鋼管をつなぎ合わせるための部品です。継手を使用することにより、ステンレス鋼管の方向を変えたり、合流や分岐をさせたり、外径のサイズを変えたりできます。

継手の種類は、配管の方向を45度、90度、180度に変えるエルボ、配管の合流や分岐をさせるチーズ、外径の異なる配管をつなぎ合わせるレジューサー、径の異なる配管の外ネジと内ネジを接続するブッシング、配管の内ネジ同士を接続するニップル、配管の外ネジ同士を接続するソケット、配管と配管の接続や配管とバルブ・流量計器などの各種計器と接続するフランジなどがあります。

つなぎ方には主に溶接式とネジ込み式があります。
溶接式には突合せ溶接式管継手と差込み溶接式管継手があり、ネジ込み式にはネジ込み式管継手があります。またネジ込み式管継手は、溶接で固定しないので補修メンテナンスがしやすい特徴を持ちます。

参考文献
https://www.mory.co.jp/product/stainless/circle/02.html
https://jis.jts-tokyo.com/stainless-pipes-standards/

ステンレス鋼管のメーカー情報

*一部商社などの取扱い企業なども含みます。

ステンレス鋼管のメーカー19社一覧


ステンレス鋼管のメーカーランキング

社員数の規模

  1. 1 JFEスチール株式会社
  2. 2 モリ工業株式会社
  3. 3 株式会社久世ベローズ工業所

設立年の新しい会社

  1. 1 JFEスチール株式会社
  2. 2 日鋼ステンレス株式会社
  3. 3 山本特殊鋼株式会社

歴史のある会社

  1. 1 モリ工業株式会社
  2. 2 東成鋼管株式会社
  3. 3 前澤給装工業株式会社

ステンレス鋼管5選

SUパイプ

株式会社ベンカン 画像出典: 株式会社ベンカン公式サイト

特徴

SUパイプはJIS G 3448 TPD-A-HT 一般配管用ステンレス鋼鋼管規格に準拠して自動アーク溶接後、熱処理することで製造されるステンレス鋼管です。

溶接後の固溶化熱処理により耐食性、耐衝撃性および強度が従来品であるJIS G 3459 TPA 配管用ステンレス鋼鋼管の規格品よりも優れており、1/3程度薄肉化することに成功しています。

基本的には戸建住宅や集合住宅、その他ビルの配管への使用を想定していますが、その他必要に応じてプラント配管に適用することも可能です。

株式会社ベンカンの会社概要

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溶接ステンレス鋼管

日鉄ステンレス鋼管株式会社 画像出典: 日鉄ステンレス鋼管株式会社公式サイト

特徴

溶接ステンレス鋼管は化学や電力などにおけるプラントの配管、建築における給水・給湯配管、食品や薬品製造における衛生配管、そして熱交換器等幅広く使用できるステンレス鋼管です。

板厚0.4mm~3.0mmに対してはレーザもしくは高周波溶接、12mmまではプラズマもしくはTIG溶接と、求める板厚や溶接部を含む機械的性質の特性に応じた溶接方法を選択することが可能です。

また外径も最小6.35mmの小径管から最大318.5mmの大径管まで、必要とするサイズのステンレス鋼管を入手することができます。

日鉄ステンレス鋼管株式会社の会社概要

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ボイラ・熱交換器用ステンレス鋼管 (JIS G3463)

山本特殊鋼株式会社 画像出典: 山本特殊鋼株式会社公式サイト

特徴

ボイラ・熱交換器用ステンレス鋼管(JIS G 3463)はフィン・チューブ式やプレート式、多管式といった熱交換器に使用することを目的として製造されるステンレス鋼管です。

材質はSUS304とその低炭素版となる304L、316、316L、329J4L、317L、410と7種類から選ぶことができ、シームレスパイプとなるため強度、耐衝撃性、耐食性と用途に応じて適切なものを選択することができます。

またU字曲げ加工と曲げ加工後のR部に対する応力除去焼きなまし、固溶化熱処理へも対応可能なため、物理的・科学的に様々な条件下での適用を検討することが可能です。

山本特殊鋼株式会社の会社概要

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シームレスステンレス鋼管

丸一ステンレス鋼管株式会社 画像出典: 丸一ステンレス鋼管株式会社公式サイト

特徴

シームレスステンレス鋼管は石油精製から電食、食品における産業機械を主としたさまざまな分野で、給水加熱器や熱交換機等幅広く使用されているステンレス鋼管です。

シームレスパイプは圧延もしくは鍛造工程により製作されることにより、溶接鋼管で発生するような組織的不均一性の無い耐久性の強い、高精度な製品を使用することができます。

素材としてはオーステナイト系、フェライト系に加えて二相系も選ぶことができ、適用環境に応じた耐熱性、耐腐食性等の性質をもった製品を選択することができます。

丸一ステンレス鋼管株式会社の会社概要

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ステンレス溶接鋼管

ステンレスパイプ工業 画像出典: ステンレスパイプ工業公式サイト

特徴

ステンレス溶接鋼管は、配管やボイラ等多種多様な産業分野で使用される直パイプ型のステンレス鋼管です。

JIS規格についてはG3459:配管用、3463:ボイラ・熱交換用、3468:大径鋼管に加えて一部3446:構造用、3448:一般配管用に適合し、米国材料試験協会ASTM規格に関してもA312、358と幅広く対応しています。

材質に関してもオーステナイト系を主として二相系から、外径は21.7mm~2,000mmと小径から大径まで必要なサイズを選択して使用することができます。

ステンレスパイプ工業の会社概要

  • 会社所在地: 大阪府堺市美原区木材通4丁目16番8号
  • URL: http://115.146.5.90/
  • 創業: 1954年

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